玉扇と万象1

1/3
著者; 原田 右三 <西三河サボテンクラブ>
構成; 土井 正明 <西三河サボテンクラブ>

<画像の提供>  永岡 淳英<京都>
原田 右三<愛知>
Makoto <富山>





 

玉扇・万象を栽培するには、まず玉扇・万象がどんな植物であるかを知る必要があります。
原産地は、南半球の南アフリカ共和国で、極限られた地域に自生しています。この地域は冬雨地帯で、温度の比較的低い時期に降雨があってこの期間に成長をします。そして、乾燥した夏の期問は休眠している、いわゆる冬型の植物です。
従って、日本では秋から春に成長させることになります。
しかし、割合に適応の幅の広い植物ですので、蒸し暑い日本の夏でも、強い日差しを和らげ通風を良くして涼しくしてやれば栽培が出来ます

永岡 淳英さんのハオルチア温室98年10月撮影

現地では、厳しい気象条件をしのぎ、動物の食害から逃れる為にほとんど地中に埋まっていて、葉先の透明な部分(通称:窓)だけを出して光を取り入れて成育しています。
しかし、日本の気侯では過湿になって上手に育てにくいので、葉全体をほとんど地表に出して栽培します。
この方が色々と管理もし易く、育て易いと思います。具体的には、各項目別に説明します。




「用土について」

玉扇・万象の根は、主として太根直根であまり過湿を好みません。
春と秋の成長期はともかく、成長していない時は乾かしぎみにしないと根腐れします。

しかし、あまり乾燥させるのも良くありません。
ある程度の大きさがあれば、いくら乾燥させても枯れることはありませんが、その後の成長に影響します。
中にはこじれてなかなか元に戻らない物もでてきます。たとえ成長していない時でも、主根はもちろん細根も完全には乾燥させないように水分を維持したいものです。
そこで、この条件を満たすのは、一見矛盾している様ですが、排水が良くて保水力の良い土と言うことになります。
それには少し荒目の土で多孔質な物が良いのですが、柔らかい土は根の成長には良いのですが、古くなると崩れて目詰まりを起こしやすいし、さらに根がはっていくとどんどん鉢内が窮屈になって固形化してしまい、呼吸がしにくくなってしまいます。
しかし、硬い土ばかりでは太根が自由に伸びにくく凸凹になってしまいます。そこで、両方を適当に混ぜてやるのがちょうど良い様です。