温室訪問記  <故 小林公夫>

  

 

<小さな画像をクリックすれば大きな画像になります>         K,Kさん宅



最近サボテン仲間の集いで刺の話題になると必ず登場するK,Kさん、今回はその話題の「刺のK,Kさん」を訪ね温室拝見を実現させる事ができました

この画像では解りにくいと思いますが、○○の繁華街に住居を構えている為、ご自宅の屋上(4階)に20坪余りのアルミ温室での栽培を楽しんでいらっしゃいます
もう少し大きな温室で、思いっきりご自分の理想の栽培法をなさりたいようですが、この辺りは降雪量6メートルと日本でも屈指の豪雪地帯であり、『この地域では、かなわぬ夢ですよ!』と苦笑いをなさっています。

zen3.jpg (55381 バイト)ワァ〜オ!・・・まず目に飛び込んできたのは、この赤刺群、鯱頭、刈穂玉、神仙玉と現地球に負けぬ刺を出しています、日本のサボテン栽培家がこの様な刺を維持させようと数多くの人々がチャレンジし、幾度として挫折した事か・・・。私もその内の一人ですが・・・(ーー;)

この画像も凄いでしょう!手前に特太刺タイプ大竜冠、黄刺系鯱頭、等々現地を散策していても下手な趣味家が作り間違えたかのような貧相なサボテンを数多く目にする中で、この様な立派なサボテンを探すのには大変な労力と時間が必要なのです、それをいとも簡単にご自分の実生から作り上げられたのですから、K,Kさんの努力には頭が下がります

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左の画像の中央に白紅山ハッコウザン(スクレロカクタス)が写っていますね
この白紅山は難物中の難物・・・今迄たとえ運良く輸入球として手中に納められた趣味家、植物学者とても、その温室に現存する苗は皆無でしょう。
サボテン界の常識として白紅山は実根(その苗自身の根)では栽培できないサボテンであると定義付けされ、誰しも疑いをもつ事無く現在に至っています。
現地でさえ、白紅山の大球は見かける事が少なく、大抵はK8〜K9cm、H20〜25cm程の大きさで(希に群生するものがあるが)所々に刺を付けた白紅山の死滅した表皮が見かけられ、この事からもこの種は他のサボテンと違い世代交代のサイクルの短い種類だと言う事ができます。

hakukouzan_7.jpg (37427 バイト)ビックリです・・・その白紅山がここでは、実生苗みしょうなえですくすく元気で今も成長しているのです・・・驚きです!

 

ここで、彼の栽培法に軽く触れてみましょう。
軽くと表現したのには理由があります。
この栽培法は彼が御自分の温室の環境、育てる苗等を考慮し試行錯誤の結果その苗の種類にあわせて培用土、栽培法を多少変えていらっしゃいます。
事細かにその詳細を書き連ねるとなれば、かなりの労力も要りますし、このインターネットの世界でそんなマニアックなファイルを作り上げても利用される人は皆無でないでしょうか。
それで、今回は彼の考える一般的なサボテン栽培法を紹介致しますので、貴方のサボテン栽培の手助けになるようなポイントがあれば、ぜひ取り入れて下い。

水やり、温室管理は・・?

kaounisiki.jpg (29613 バイト) 温室管理については、環境の違いや栽培するサボテンの種類に合せて人それぞれ違いがあります。
彼の場合は特に一般の栽培の仕方からは一脱している?・・のではないかとも思われるのですが、これも貴方のサボテンの生理を理解する何かのヒントになれば宜しいですね。
彼の栽培種は刺物が主体であり昼夜の温度差が欲しい事と、日光が充分当たるようにと素ガラスの温室に夏場でも密閉栽培(夕方時には開放時間がある)、しかも寒冷紗等の使用は一切なされていません。

このような栽培で日焼けをするのでは?

○○○なまりで→『(^。^)いやぁ〜。大丈夫ですよ、水やりした当初は湿度が高いし、温室の湿度が低い時にはお昼に一度、3時頃に一度とシリンジをしていますからねぇ。』
ん〜っ。・・・・・なるほど。
ご自宅がお薬屋さんで、その屋上に構えた温室ですからこのような細かい配慮が出来るんでしょうね。

湿気が多いと刺が汚れるはずですが?

湿気が多いと言っても、日光の当たる日中に雑菌の繁殖は無いですし、夕方窓を開放して温室内部の温度と外部の温度が一緒になった時に再度閉め切り「エアコン」を入れます。
それで、湿気も取れますし温度も下がり雑菌の繁殖が少なくなります。


それでは、培養土はどのような配合にしていますか?
そして、肥料は?

 

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